エコシステムの拡大に向けて次の上昇相場に備えるカルダノ
現在のベアマーケットを転換させる大きな要因の一つになるかもしれない香港=中国の動き
ブルームバーグの記事『Hong Kong Plans to Legalize Retail Crypto Trading to Become Hub』によれば、香港は近年の懐疑的な姿勢や中国本土での取引禁止とは対照的に、暗号通貨の小売取引を合法化する計画で、暗号通貨に対してより友好的な規制体制へと舵を切っているようです。
これにより香港はビットコイン、イーサリアム、カルダノ決済を合法化し、世界のブロックチェーンハブとなることを目指すとCryptoNewsFlashが記事で伝えています。
このニュースで注目はBitMexの共同設立者であるArthur Hayes氏の発言です。この香港の動きが、中国政府が暗号を禁止する以前の暗号資本市場の世界の中心であった北アジア、特に大中華圏における暗号投資家しての中国資本のニーズを促進する能力を持つ可能性があると述べている事です。
Hayes氏はまた、北京が意見を変え、「これらの前向きな暗号政策をすべて取り消す」可能性もあるとし、香港が暗号を許可することで、中国にとって重大な問題が解決されると楽観視しています。
Hayes氏の暗号市場における分析や意見はこれまで多くの暗号コミュニティが注目しており、彼の予測は興味深いものであり、この視点は現在のベアマーケットを転換させる大きな要因の一つになるかもしれません。
Hayes氏は自身のブログ記事『Comeback』で次のように述べています。
香港は中国が世界と交流するための代理人であることを忘れてはなりません。これは、中国の暗号支配が再起動する前触れなのでしょうか。中国の資本は、香港を通じて世界の暗号市場に参入するのでしょうか。
中略
香港の暗号に対する友好的な方向転換は、中国が暗号資本市場において再び主張することを予兆していると主張します。チャイナさんが暗号を好きになれば、強気相場が戻ってくるでしょう。それはゆっくりとしたプロセスだが、赤い芽は芽吹いている。
現在の暗号市場の様相(弱気相場)と前回の2018年から2020年後半まで続いた弱気相場との違いは、いわゆるホワイトペーパーによる投機ではなく、DeFiなどのエコシステムの成長という実質的な経済活動が始まっていることが大きな違いです。
長期的には投機から暗号技術の採用の時代に入っており、これまでとは違った相場の動きを見せると考えられます。また米国およびEU(MiCA規則)の暗号に関する規制は、2023年の導入に向けて動いており、2025年前後でCDBCの発行の可能性も十分にあり得る中、世界規模のデジタル経済圏は早々にやって来るかもしれません。その点から考えると個人的には以前の冬の相場の時よりも、相場転換は案外早くやってくるかもしれないと考えています。
そうした中カルダノはエコシステムのしっかりした土台を完成させ、この波に乗ることが大変重要になってきます。
存在感を増すカルダノ、しかしDeFiはまだまだこれから
メディアもカルダノの躍動を取り上げる
前々回の記事『NFT、GameFi、DEXの分野でカルダノDappsのアクティビティが急拡大』でお伝えしたとおりカルダノNFTの取引高がイーサリアムとソラナに次ぐ3位に浮上しています。このニュースをForbesが記事で伝えており、その翻訳記事が先日Yahooニュース記事でも配信されるなど、暗号を知らない人たちにもカルダノという名前が少しづつリーチし始めています。
市場全体でトップ3,954コインのうち1位のAlternativeRank™を達成
Crypto、NFT、Stockのためのソーシャルインテリジェンスを提供するLunar Crushによれば、相対的なソーシャル+マーケット活動の組み合わせに基づき、カルダノは市場全体でトップ3,954コインのうち1位のAlternativeRank™を達成したと報告しています。ソーシャルメディアでも存在感を示しつつあり、イーロンマスク氏のツィッター買収も相まって、暗号との連動から暗号を知らない人にリーチしやすい環境が作られ、一気に広がる可能性も出て来ています。これにより現在の価格は割安感があると報じられることの多いカルダノは、ユースケースの拡大と相まって、投資先としても大注目の可能性が出て来ることが考えられます。
カルダノ、レイヤー1ブロックチェーンにおける資金流入額で2位にランクイン
Cardano Dailyによれば、カルダノが暗号市場の最近の(暴落後の)暴騰に伴ってネットワークの成長でイーサリアムに次ぐ2番目のマネーフローを記録しています。マネーフローの面で、カルダノが23億ドルを時価総額に流入させており、16%の成長に相当します。
これを伝えたTheCryptoBasicは記事では、カルダノ・ネットワークのTotal Value Locked (TVL)も上昇していることは特筆に値すると述べています。また、TVLは7100万ドルを超え、The Crypto Basicがこの数字について最後に報告して以来、この2週間で300万ドルも増加したことになるとしています。
さらに注目すべきは、TVLによる分散型アプリ(DApps)のトップ10のうち少なくとも6つが、過去7日間で低~中レベルの2桁のパーセンテージ上昇を記録し、他のものはより緩やかな上昇を記録していることを伝えています。
強力な10月のオンチェーン成長率
カルダノはVasil以降オンチェーン成長率でも力強い動きを見せています。カルダノ財団はこの強い成長率でカルダノに対するゴーストチェーンの噂を否定しています。
カルダノ財団がツィートしたカルダノのオンチェーン成長率は、トランザクション数が5330万件に達し、8月から4.18%増加しました。またトランザクションタイプでは27%がスマートコントラクトで実行され、10月は2%増となっています。スマートコントラクトを使用しない取引は全体の7.3%でした。
それでもカルダノDeFiはまだ始まったばかり
一方、現時点でのカルダノDeFiのTVL(Total value locked)は、チェーン全体で30位(執筆時点)となっており、今後のTVLの増加の成長のためには、既出のプロジェクトのバージョン2のリリースと現在開発中のプロジェクトのリリースが待たれます。
しかし、今後の2023に向けたロードマップ『Vasil後のBASHO時代は2023年に向けて更に深化しスケールアップする』、『Basho v2.0のスケーリングプランとVoltaire時代のガバナンスプランPolyglot Ecosystem』でお伝えした通り、これからの伸び代はどのプロジェクトよりも大きな可能性を秘めていると同時に、2023年後半にはスケーリングソリューションであるHydraやMythrilなどのリリースにより、技術的にもどのプロトコルよりも先を行く優位性を確保できることが考えられます。
TVLの上昇についても現在開発中のプロジェクトのリリースラッシュが始まれば、一気に順位を上げることになり、カルダノがどこまでTVLでも順位を上げるのか、大変楽しみなところです。そうなればメディアにより割安感を指摘されることが多い現在のADAの価格についても大注目でしょう。
現時点でのカルダノ・エコシステムの統計は以下の通りで、毎週確実にその数字を伸ばし続けています。
開始されたプロジェクト:103
開発中のプロジェクト:1127
ネィティブトークン:6.5m
トークンポリシー:63865
Plutusクリプト:3531
トランザクション:52.9m
そうした中Vasil以降カルダノは、日々エコシステムのリリースやアップデートの動きが活発化しています。これはまだ始まったばかりで、今後この動きを追えなくなるほどの情報の飛躍的な増加、エコシステムの爆発的な増加が予測されるため、次の上昇相場ではカルダノ・エコシステムの成長と連動した躍進に期待大と言えます。
カルダノ財団が、EU全体でブロックチェーンアプリケーションの開発を支援することに尽力
カルダノ財団のCEOであるフレデリック・グレガード氏が、EU全体でブロックチェーンアプリケーションの開発を支援することに尽力している、情熱的で熱心な政策立案者の欧州議会議員のステファン・ベルガー氏を訪問し、意見交換を行ないました。両者はその出会いについてツイートしています。
ステファン・ベルガー氏は、議論の一部がヨーロッパの暗号規制パッケージであるMiCAに及んだことを明らかにしました。「カルダノは暗号空間のロケットだ 」と、彼は暗号通貨への賞賛に満ちた発言を続けました。
EUでのカルダノの展開は、米国での展開『高まる新たな暗号規制の必要性とカルダノの未来』でお伝えしたカルダノ規制への取り組みと共に、非常にポテンシャルを秘めた素晴らしいニュースとなっています。
カルダノ・エコシステム最新動向ピックアップ
最近のカルダノ・エコシステムの動きとして注目すべきトピックが日々発表されていますので、いくつかご紹介します。前回のエポックな日々の記事『NFT、GameFi、DEXの分野でカルダノDappsのアクティビティが急拡大』でもいくつか取り上げているので是非ご参考ください。
MuesliSwap v2の最後のアップデートが完了し、Yield Farmingが開始
CardanoとMilkomeda上の最初の分散型取引所であり、カルダノ上の最初のハイブリッドDEXであるMuesliSwapのバージョン2の最後のアップデートが完了し、Yield Farming(イールドファーミングとはDeFiが運用するDEXに所有する暗号資産を預け入れ、報酬を受け取ること)が開始しています。
これによりアクティブアカウントは140%増加し、約40Kに達しており、驚異的な成長を見せています。このようにカルダノDeFiプロジェクトの数はまだ少ないものの、一つ一つのプロジェクトが力強い成長を見せており、今後がますます楽しみなところです。
Hydraの新バージョン0.8.0がリリース
こうした中カルダノは、中期的にカルダノ・エコシステムの成長を爆発的に向上させると期待される、究極のレイヤー2スケーリングを実現するソリューションの一つである、新しいHydraのバージョン0.8.0がリリースされました。
Hydraは、スループットの向上、レイテンシーの低減、コストがほとんど発生しないこと、ストレージの必要性を大幅に削減する事を目的としています。恐らくには2023年前半中このHydraを含んだDappsがリーリスされるでしょう。SundaeSwapもHydraバージョンを開発中で、既にデモも行っています。
日本のポイントと暗号通貨を活用した社会のデジタルインフラとなる持続可能な循環型地域活性化システムを構築するイザナミ・プロジェクト(SIPOもアドバイザーとして参加)もこれに注目し、Phase2に向けてテスト環境の構築と研究開発をスタートさせています。
今後のHydraの動きはMithrilと共に大変注目されるものです。特にスケーリングを必要とするプロジェクトや安い手数料を必要とするマイクロファイナンスなどのプロジェクト開発者にとっては、リリースの道筋が見えてきたことで、タイムラインをより強固にし、開発に拍車をかけることになると考えられます。おそらく2023年の中頃までにはこれらの技術を搭載したプロジェクトがリリースされると考えている開発者は多いと考えます。
初のBSCからCardanoへのブリッジが稼動
カルダノに特化したP2EゲームであるCornucopiasは、ChainPortとの提携により、初のBSCからCardanoへのブリッジが稼動したことを発表しています。
このブリッジは、カストディアル・レベルのセキュリティを提供するパーミッションレスの暗号ブリッジであるChainPortと提携して開発されたもので、カルダノ経済圏の拡大に貢献するものとして、今後の展開に注目です。
Binance Pay、カルダノ・ステーブルコインの発行元COTIをサポートする機能を追加
Binanceが設計した暗号通貨決済ソリューションBinance Payは、COTIをサポートしたと発表しています。BinanceがCOTIのサポートを追加したことで、Binance Payのユーザーは人気の高い暗号通貨を使って送受信や決済を行うことができるようになりました。
これにより、数百万人のBinance登録ユーザーがCOTIで送受信や決済ができるようになったこと、COTIがリリース予定のDjedステーブルコインもこのエコシステムに含まれる可能性があります。
FTX Sam Bankman-Fried氏、カルダノ上場を示唆
FTXの創設者Sam Bankman-Fried氏は、10月23日のツイートで、同取引所がまもなくCardanoのADAをスポット取引用に上場する可能性を示唆しました。
このようにVasilアップデート後のカルダノ・エコシシテムは急激な成長曲線に入っており、今後より多くの動きが予想されるので目を離せません。また11月後半に開催されるカルダノ最大のイベント『CARDANO SUMMIT AWARDS 2022』での新しい発表も可能性もあるだけに大変注目ですね。
これらの動きから2023年に向けた上昇相場は案外すぐそこまできているのかもしれません。
Vasilアップグレードの効果は平均手数料と平均trxサイズが半分に
Dapps On Cardanoが、サイトで新しいチャートを3つ(トータルフィー 、平均Trx手数料、平均TRXサイズ)を公開しており、エポック毎のデータをグラフィックで見れるようになっています。
人気No.1のカルダノNFTプラットフォームであるjpg.storeのチャートでは、Vasil HFの効果として、平均手数料と平均trxサイズが半分になっていることが確認できます。
「CARDANO SUMMIT AWARDS 2022」アワードで日本から二つがノミネート
11月19日から21日にかけて開催されるカルダノ最大のイベント『CARDANO SUMMIT AWARDS 2022』が主催する、カルダノコミュニティの成長を祝い、私たちのエコシステムの中で構築されている最高のプロジェクトを選考するアワードで、日本から次の二つがノミネートされています。
一つは「Developer or Developer Tools」部門で『SPO JAPAN GUILD』が、「Ambassador」部門で『Shusuke Wakuda』さんがそれぞれノミネートされています。現在投票中で締切は11月7日となっています。
アワードに選出されるようぜひ投票して応援しましょう!
投票の仕方は、下記のページをご参照ください。
https://spojapanguild.net/news/cardano-summit2022-vote/
もしこの記事が気に入っていただけましたら、SIPO、SIPO2、SIPO3への委任をどうぞよろしくお願いいたします!10ADA以上の少量からでもステーキングが可能です。
ステーキングについて知りたい方は、下記の記事をご参考ください。
ステーキング(委任)とは?
カルダノ分散型台帳システムによるステーキングの魅力とその方法:2021版
Q&A:カルダノ、ステーキングに関する基本的な説明集
ダイダロスマニュアル
ヨロイウォレット Chromeブラウザ機能拡張版マニュアル
ニュース動向 in エポック372
カルダノ(ADA)は止まらない!ネットワークアクティビティーもトランザクションも上昇の日々!
カルダノのレイヤー1ブロックチェーンへの資金流入額は第2位!界隈からも有利なデータが…!ADAホルダーは幸せになるべき
IOGブログ: IOGの研究が学術界にいかに広まっているか
IOGは、世界各地の研究者や名門大学との協力のもと、難しい研究課題への取り組みに専心し、フィンテックブロックチェーンインフラ用の堅固な基盤を確立しています。
IOGと学術界の関係や分散化技術にかかわる研究の詳細について伝えています。
香港がビットコイン、イーサリアム、カルダノ決済を合法化し、世界のブロックチェーンハブとなることを目指す
ブルームバーグの記事によれば、香港は、近年の懐疑的な姿勢や中国本土での取引禁止とは対照的に、暗号通貨の小売取引を合法化する計画で、暗号通貨に対してより友好的な規制体制へと舵を切っているようです。
Binance Pay、カルダノ・ステーブルコインの発行元COTIをサポートする機能を追加
Binance PayがCOTI(ERC20)のサポートを追加し、数百万人のBinance登録ユーザーがCOTIで送受信や決済ができるようになったと発表しました。
IOGブログ:ステーキング・パラメータとネットワークの最適化 – kと最小手数料の次の目標は?
透明性と客観性に基づき、この記事ではまずkパラメータと最低料金の概要を説明し、この2つのパラメータを調整するさまざまな方法と、各方法の長所と短所について概説しています。
Hydraの新バージョン0.8.0がリリース
究極のレイヤー2スケーリングを実現するCardanoのソリューションである新しいHydraのバージョン0.8.0がリリースされました。
カルダノ週間開発レポート:2022年10月28日
ハイライト
コアテクノロジーに関する作業が進行中
Daedalus Pre-productionバージョンリリース
Marlowe Runtimeを使ってActusコントラクト実行
新HeadV1仕様を更新 Fund9エコシステム報酬送信
現時点での統計
開始されたプロジェクト:103
開発中のプロジェクト:1127
ネィティブトークン:6.5m トークンポリシー:63865
Plutusクリプト:3531
トランザクション:52.9m
カルダノのサイドチェーンとしてドージコインを統合?! マスク氏のTwitter買収を受けてホスキンソン氏が発言。Hydraの進化も順調!
【投票求む!】CARDANO SUMMIT 2022のアワードカテゴリーにSPO JAPAN GUILDとアンバサダー和久田(bakucham)さんがノミネートされました!
Flint Walletが1.23にアップデート
カルダノ最大のイベント『カルダノ サミット』アワードの投票が開催中
Optim FinanceのSPOリクイディティボンドがTestnetに登場
カルダノでイールド・プロダクトとアグリゲーションを提供するOptim Financeが、SPOリクイディティボンドをTestnetでオープン。
CARDANO SUMMIT AWARDS 2022で『Wakuda』さんがノミネート
サミットアワードのアンバサダーカテゴリーで日本の『Wakuda』さんがノミネートされました。
CARDANO SUMMIT AWARDS 2022でSPO JAPAN GUILDがノミネート
CARDANO SUMMIT AWARDS 2022で「Developer or Developer Tools」部門最終選考に SPO JAPAN GUILDがノミネートされました。
史上初のBSC-Cardanoブリッジが稼動開始
カルダノに特化したP2EゲームであるCornucopiasは、ChainPortとの提携により、初のBSCからCardanoへのブリッジが稼動したことを発表しています。
DappsOnCardanoサイトに新しいチャートが3つ公開:Vasil HFの効果として、平均手数料と平均trxサイズが半分に
DappsOnCardanoサイトに新しいチャートが3つ公開、エポック毎の下記データを確認可能になりました。
- トータルフィー
- 平均Trx手数料
- 平均TRXサイズ
@jpgstoreNFT のデータでは、Vasil HFの効果として、平均手数料と平均trxサイズが半分になっています。
Cardano DailyによるカルダノDappsのユニークアカウント数の伸び
Cardano DailyによるカルダノDappsのユニークアカウント数の伸びで、トップはCNFT P&Eゲームの@cryptodino_ioで、417%増の682アカウントになっています。