迫るVasilハードフォーク、弱気相場の中カルダノは更なる高みへ
Vasilハードフォークの最新進捗状況
【追加更新】Vasil最新状況:テストのための時間を確保するために、7月最終週にカルダノのメインネットハードフォークが行われることになりました。 コア作業の完了に非常に近づいており、現在「深刻」とランク付けされたバグはありません。詳しくはこちらのIOG記事をご覧ください。2022年6月21日
カルダノ開発会社であるIOGによる最新動画『June Mid Month Development Update』がアップデートされ、今年行われるスケーリング・ソリューションのひとつである、今月末に予定されている注目のVasilハードフォークの進捗状況が、コミュニティに共有されました。
非常に高度で複雑なプロセスはとてもうまく行っている
Vasilハードフォークは、非常に高度で複雑なプロセス、たくさんの20以上の異なるコンポーネント(部品)相互依存関係をテストしており、非常にうまく行っていると報告しています。
今回のハードフォークでは、コアノードだけでなく、複数のコンポーネントもアップグレードする必要があり、DB-SyncからBlockfrostなどのサードパーティAPIまでカバーしています。
そして主要な取引所やアプリ開発のアクター(以前約40のプロジェクトがBuildingOnCardanoとして最終テストを実施していると報告)が、IOGと歩調を合わせて協力し合い、非常に良いセッションを行っているとのこと。
その中で有益なフィードバックを獲得し、踏破することができる状態であるかどうか、すべての異なる構成要素に踏み込んで、現在の品質状況はどうなっているのか評価を行いました。
Plutusバージョンの1と2の後方互換性や、コストモデル、パイプライニングなど機能的なものと非機能的なものをドリルダウン(データ集計や分析で用いる手法の一つで、集計範囲を一段階絞ってより詳細な集計を行うこと。)しています。
Plutusバージョン2に導入した新しいCIPsには、データの保存とアクセスを改善するために新しい参照入力を導入するCIP-31、よりシンプルにするためにデータムの添付方法を再編成するCIP-32、計算量を減らすスクリプトのサイズを縮小するCIP-33など、カルダノ改善提案(CIP)の実装も含まれています。
評価の結果、これらのCIPsの機能性や最適化と性能の向上を図った恩恵は、テストしたコンポーネントと、100のDappsにもたらされており、その能力と光を与えているとのこと。
そして何よりも素晴らしいのは、IOGのネットワークベンチマークに基づき、フロントエンドから見たパフォーマンス、性能の向上という点においても、(要因についてはまだ公表することができないが、)より高速であることがわかっており、こ結果について、非常にポジティブに感じていると伝えています。
一方、Plutusバージョン2において、コミュニティが新しいdappsを作るために使うコンポーネントは車の部品のようなもので、参照スクリプトへのアクセスが可能か?インライン・データムへのアクセスは?といった、これらの部品がどのように組み合わされるかをテストすることであり、これは本当に重要なプロセスとなります。
また、先週の金曜日最後のカウントでは、バグの数はごくわずかであり、コンポーネントレベルでは、望む結果を得ていますが、開発チームはもっとエンドツーエンドの徹底的でより独創的なテストが必要だと感じているとのことで、これが次の週の焦点になると伝えています。
ノードのVasel対応版を作成
チームはノードのVasel対応版(現時点での最新版 1.35.0-rc3)を作成しました。以前のアップデートで約束したリファレンス・インプット、スクリプトの参照、インプット・データム、コラテラル(担保)・インプットについて改善し、ネットワーク、ロギング、そして他のコンポーネント・システムも改善されたとのこと。今のところたくさんの良いテスト結果を得ていると報告しています。
IOG自身の品質管理チームも含めてステークプール・オペレーターやアプリの開発者たちからも、特に新しいノードの性能ベンチマーク結果は、とても楽しい驚きを与えてくれるものだったと伝えています。
同期時間やメモリが改善されたDB-Syncの新バージョン
そしてDB-Syncの同期時間やメモリが改善された新バージョンをようやく手に入れたとのこと。これは監視するためにこれを使用している企業などのエンタープライズ・ユーザーにとって、カルダノネットワークを監視し、その変化を追跡するために非常に重要です。
永久的かつ不可逆的なものにするためdパラメータの機能を削除
続いて多くのコミュニティが取り上げたカルダノにとって分散化に重要なdパラメータについてです。
2022年7月にシェリーが登場して以来、カルダノは完全な非中央集権化への道を歩み、dパラメータは2021年3月31日 21時44分51秒(GMT)に0になり、7ヶ月以上の努力の末、ネットワークは完全に分散化されました。
そしてこのdパラメータ=0は、Vasilハードフォークによりdパラメータ自体の機能を取り去り、決して再び増加することのないように、永久的かつ不可逆的なものにしようとしています。これはカルダノの分散化を担うコミュニティにとって、非常に重要なステップであることを意味します。
この目に見えない地味なアップグレードですが、ブロックチェーンにとって最も重要なミッションである分散化にとって、非常に重要なステップであることは間違い無いでしょう。
弱気相場において多くのコミュニティの手によって次の未来を形作る偉大な仕事が行われている
このようにVasilハードフォークは、カルダノの静かなハードフォークを実現する卓越した技術により行われることになりますが、実際にはスイッチをオンにするようなものではなく、バックグラウンドでは多くの作業がコミュニティを巻き込んで日々開発と調整がなされています。
暗号市場が弱気相場にある中で、次の未来を形作る偉大な仕事が多くのコミュニティの手によって集中して行われています。
チャールズ・ホスキンソン氏は、6月9日に公開されたYahoo Finance Liveのビデオインタビューで、来るカルダノVasilハードフォークのアップデートを “スケーラビリティ面、また開発者の経験に関する変更の束 “と定義しており、現在の市場の弱気に直面して自信を示しています。
また、「強気相場は誰も協力したがらないので、信じられないほどイライラさせられる 」と付け加え、「持続不可能な給与や期待値だけでなく、多くの密猟が起こっている」と述べ、次のように続けています。
しかし、強気市場とは異なり、弱気市場は、実にリラックスできる。
私自身、これまで6回ほど弱気相場を経験しました。そして、そのたびに大きな進歩を見てきました。
スマートコントラクト革命はここから始まったのです。多くのDeFiムーブメントが始まった場所です。多くの個人がこの中で操作性を向上させることに集中しています。
ホスキンソン氏は、Open Banking Initiativeに関するISO 222のようなものと暗号空間との統合、プロトコルのスケーラビリティ、ポータビリティ、より良い消費者体験、ガバナンス面などがこれらの改善の例であり、弱気相場はこれらの改善に取り組むことに集中するのに最適な時期であると述べています。
今年の後半にエコシステム上のDAppsは指数関数的に成長する
最新の情報では、現在1017のプロジェクトがカルダノ上で構築されています。
この水面下での多大な努力により、現在開発が進められている1000のプロジェクトは、Vasilハードフォークの新機能の恩恵を受け、ネットワークにおけるアプリの効率と信頼性が高まり、処理能力を向上させることができます。
Vasilハードフォークは、Plutusバージョン2の非常に質の高いリリースをすることにより、2017年以降開発されてきたカルダノは、Vasilハードフォークによりまた一つ新しいステージを迎えることになるでしょう。
セキュリティ、低い取引コスト、そしてビルダーにとって素晴らしい環境は、カルダノ上で構築されるプロジェクトの数をさらに大きく増やし、エコシステム上のDAppのボリュームが今年の後半に力強く指数関数的に成長することが可能になるものと予想されます。
Vasilのアップグレードは、今月末6月29日->7月最終週にカルダノのメインネットハードフォークが行われることになる予定です。
EVMサイドチェーンのα版が登場、エコシステムをさらに拡張する相互運用性
この偉大なるVasilアップグレードの最中には、カルダノおよびブロックチェーンの未来にとっても重要な発表がされています。Ethereum Virtual Machine(EVM)サイドチェーンのα版のローンチを発表し、現在テストネットでサイドチェーンが利用できるようになりました。
今回のローンチを受け、開発者はSolidityベースのアプリケーションをカルダノ上で構築することが可能になり、カルダノの多くの利点を得ることができるようになります。つまり、ユーザーは、より環境的に持続可能なブロックチェーン上で、はるかに低い手数料と迅速な決済時間の恩恵を受けることができるようになることを意味します。
EVMサイドチェーンの主な特徴は、Ethereumのアップグレードやツールとの完全な互換性、Web3ウォレットの互換性、プルーフオブステークのOuroboros Byzantine Fault Toleranceコンセンサスプロトコルの使用、そしてもちろん、カルダノメインチェーンからセキュリティを継承する機能です。
Input Output GlobalのシニアコンテンツエディターEric Czuleger氏は、ツィートで紹介された動画でコミュニティは異なるブロックチェーンが互いに通信できる相互運用可能な未来を信じており、EVM Sidechainの最新の展開に関しては、メインネットに複雑さを追加しない一方で、カルダノ・コミュニティ以外の新しいユーザーを取り込む機会だと考えていると述べました。
レイヤー1ブロックチェーンの数が増えているため、クロスチェーン通信の問題は例外的に重要なものとなっており、カルダノがEVMサイドチェーンを展開するにあたり、それが複数のソースからのスマートコントラクトが相互に作用することを可能にする分散型計算エンジンであることを知ることは重要です。カルダノはともかく、BSC、Avalanche、Fantomといった主要なEthereumの競合はすべて、EVMと互換性のあるネットワークを持っています。
このほかにカルダノのサイドチェーン領域には、カルダノをサポートするために立ち上げられた、サイドチェーンプロトコルのMilkomedaがあります。カルダノのメインチェーンに接続されたMilkomeda C1サイドチェーンは、EVM対応スマートコントラクトの実行を可能にします。
現在、Milkomedaはカルダノのセキュリティモデルを使用していませんが、最高レベルのセキュリティを確保する対策がとられており、イーサリアムから既存のプロジェクトを移植できるようにすることで、幅広いDAppセレクションを提供します。
また、ゼロ照明技術における最新イノベーションを、そのプロトコル上にL3+ソリューションとして実装することを可能にします。さらに、MilkomedaはCardanoとSolanaなど他ブロックチェーンとの間に、2022年末までに相互運用性の提供を目指しています。
さらに以前、サステナブルなレイヤー1プルーフオブステーク(PoS)ブロックチェーンであると同時に分散型の相互運用性ソリューションであるWanchainは、カルダノと他のレイヤー1ブロックチェーンを接続する、非資産管理型(Non-Custodial)で双方向の新しい分散型クロスチェーンブリッジを発表しました。Wanchainレイヤー1 PoSブロックチェーンは、業界標準のイーサリアムツール、DApp、プロトコルで機能する、完全なイーサリアム型環境です。
このようにカルダノには多くの相互運用のための環境が着々と構築されています。これはブロックチェーンの未来でもあり、カルダノがブロックチェーンエコシステムに多大な貢献をもたらす鍵でもあります。
また、イサーリアムをはじめとするEVN互換のプロジェクト群が、カルダノエコシステムへ流入してくることが期待され、カルダノ・エコシステムの更なる成長が見込まれます。
もしこの記事が気に入っていただけましたら、SIPO、SIPO2、SIPO3への委任をどうぞよろしくお願いいたします!10ADA以上の少量からでもステーキングが可能です。
ステーキングについて知りたい方は、下記の記事をご参考ください。
ステーキング(委任)とは?
カルダノ分散型台帳システムによるステーキングの魅力とその方法:2021版
Q&A:カルダノ、ステーキングに関する基本的な説明集
ダイダロスマニュアル
ヨロイウォレット Chromeブラウザ機能拡張版マニュアル
ニュース動向 in エポック344
Daedalus 4.11.0:メインネット最新版がリリース
通貨の暴落とインフレの高まりがエチオピアでの暗号通貨導入を後押しする
エチオピアでは、インフレ率の上昇とドルの不足により、闇市場での米ドルの価格が上昇し、暗号通貨を採用する人が増えています。一方、エチオピア政府は、カルダノとの協力関係を構築することを躊躇していないとNairametricsが記事で伝えています。
EMURGOとカルダノ財団が、オープンソースのCardano Web3 Decentralized Applications Tool Stackをリリース
EMURGOとカルダノ財団は本日、カルダノのWeb3開発者コミュニティ向けに、分散型アプリケーションツールスタックまたは分散型アプリケーションバックエンド(DAB)ソリューションのリリースを発表
Crypto Capital ベンチャー創設者:カルダノ(ADA)はおそらく、多くの人が考えるよりずっと早く10ドルを達成するだろう
人気YouTubeチャンネルCrypto Capital Ventureの創設者Dan Gambardello氏は、”ADAはおそらく、多くの人が考えるよりもずっと早く10ドルに達するだろう “とツイートしています。
その理由として、ADAの価格が10ドルになっても、カルダノの時価総額は3300億ドル程度にしかならず、これはイーサリアムが4000ドルを超える価格史上最高値を達成したときの評価額を考慮すれば達成可能だと述べています。
さらに、6月1日、Gambardello氏は、イーサリアムの時価総額がかつて5000億ドルを超えて立っていたにもかかわらず、カルダノ(ADA)の時価総額が1兆ドルに達することは不可能だと考える人がいることを面白がっているとツイートしています。
Yahoo Finance Liveインタビュー:カルダノ創業者、暗号業界について「ベアマーケットは実はとても快適だ」と語る
チャールズ・ホスキンソン氏は、6月9日に公開されたYahoo Finance Liveのビデオインタビューで、市場の不確実性が暗号通貨に与える影響、スケーラビリティ、暗号通貨取引所の見通しについて述べています。
IOGブログ:カルダノの基礎研究概要
カルダノを支える研究を詳しく見ていくブログポストシリーズの第一弾です。
IOGブログ:開発者による開発者のための新しい情報管理サイト
Plutusが成熟していく中、コミュニティ主導の新しい情報管理サイトがCardanoで構築している開発者からの貴重な資料を提供
IOGブログ:Lace:スピード、簡易性、そして、シームレスなフロー
現在開発中のIOGの新ライトウォレットが、クリプトユーザーに優れた機能と使いやすさを提供し、普及を推進
カルダノ(ADA)Vasil HCに向けて準備するも「DeFiの開発には弱気相場の方が良い」。最後に強気発言あり!(概要欄に訂正事項あり)
IOG、新しいパーミッションレスEthereum Virtual Machine (EVM)サイドチェーンアルファをTestnetでローンチ
カルダノを開発するIOGは、パーミッションレスのEthereum Virtual Machine (EVM)サイドチェーンアルファをテストネット上で立ち上げたと発表しました。
これによりSolidityベースのアプリケーションを、分散型、パーミッションレス、持続可能なブロックチェーンであるカルダノ上に構築が可能となり、カルダノとイーサリアムで相互運用可能となります。
チャールズ・ホスキンソン氏、カルダノの新アップデート後に「指数関数的な成長」を予測
6月9日に公開されたYahoo Finance Liveのビデオインタビューで、来るカルダノVasilハードフォークのアップデートを “スケーラビリティ面、また開発者の経験に関する変更の束 “と定義したと、TheCoinrePublicが伝えています。
カルダノ創業者、ADA投資家を守るために暗号「ウォレット標準団体」の創設を希望
カルダノの創設者であるチャールズ・ホスキンソン(Charles Hoskinson)氏は、暗号通貨ウォレットの数が大幅に増加したことを受けて、ユーザーの安全を守るために、カルダノ上の暗号通貨ウォレット開発者のバックグラウンドチェックを行うことを任務とする「ウォレット標準グループ」を創設する必要性を表明しました。