カルダノDeFiのミッシングリンクであるネィティブ・ステーブルコインがついに登場
2023年の第一四半期にまでに登場するであろう三つのネイティブ・ステーブルコイン
最近、カルダノDeFiにとってミッシングリンクであった次の三つのネイティブ・ステーブルコインが、遂にカルダノ・メインネットでローンチすることが相次いで発表されました。
- COTIから、アルゴリズム・ステーブルコインとなる『Djed』
- EMARGOから、ドルペッグ型のステーブルコイン『USDA』
- Indigo Protocolから、USDC、USDT、TUSDの三つの中央集権型のステーブルコインにペッグした『iUSD』
これらのステーブルコインは、少なくとも2023年の第一四半期頃までに登場する予定です。
今回はカルダノ・エコシステムにおけるネィティブ・ステーブルコインの有用性と三つのステーブルコインの最新情報についてお届けします。
カルダノ・エコシステムにネィティブ・ステーブルコインがもたらすもの
2021年9月のAlonzoアップデートによりスマート・コントラクトが導入されて以来、分散型アプリケーション(DApps)の開発への道が開かれたことで、カルダノDeFi(分散型金融)基盤の構築に力を注いできました。しかし、DeFiの要とも言える、特にUSD(米ドル)にペッグしたカルダノ・ネィティブなステーブルコインがありませんでした。ネィティブ・ステーブルコインの導入は、カルダノエコシステムの本格的な成長への道を切り開き、更なる流動性をもたらすことになると期待されるものです。
2023年には世界的に暗号資産(ステーブルコインや暗号資産を含むデジタ通通貨全般)における規制改革の導入が見込まれており、カルダノの規制に準じたステーブルコインの重要性と期待はますます高まっています。
また、日本では暗号資産における新しい税制が導入される可能性が高まっています。特に「申告分離課税・損失の繰越控除の導入」、「暗号資産同士の交換時における課税の撤廃」も含まれており、これが実現すれば、セーフヘブンとしてのステーブルコインがあることで、次の上昇相場ではカルダノ・エコシステムの流動性が高まり更なる成長が期待できるでしょう。
例えば、ADAをカルダノ・ネィティブ・ステーブルコインにいつでも安い手数料で変換(逆も然り)し、簡単に自分のウォレットで保管・管理する(セルフカストディ)ことが可能になるでしょう。これにより中央集権型の取引所から距離を置くことが可能になり、DEXの有用性がますます高まることになります。例えば、Web3ウォレット『Lace』のリリースにより、カルダノDeFiの実用性や流動性は更に大きくなることが予想され、更なる新しいDappsによるサービスの追加も可能になります。また既存金融との接続性や相互運用性、利便性の拡大、他のブロックチェーン通貨とのブリッジによる暗号通貨の相互運用性にも大きく貢献するので、ますますカルダノの目標である『世界のデジタル金融プラットフォーム』の実現に大きく近づくことになるでしょう。
『Djed』ステーブルコイン
COTIのCEOであるShahaf Bar-Geffen氏は、Cardano Summit2022のメインステージで、カルダノの過剰担保型アルゴリズム・ステーブルコインであるDjedが、完全監査に成功し、今年2023年1月にメインネット上でライブになると発表しました。
COTI社のCEO、Shahaf Bar-Geffen氏はステージで、最近の市場の動き(LonaやFTXクラッシュ)にみられるように、ボラティリティから逃れるための「安全逃避通貨」としてのステーブルコインが必要であることが改めて証明されたとし、Djedはカルダノネットワークの中でこの役割を果たすことになると述べています。そして、ステーブルコインが必要なだけでなく、非中央集権的で、埋蔵量の証明がチェーン上でできるコインが必要であるとし、Djedはまさにそれを実現したと述べています。
メインネットリリース後すぐに、この『Djed』は40以上の分散型取引所、DeFiプロトコル、オンチェーンレンディング/担保ツールなどに統合される予定とのこと。これによりカルダノ・ネィティブトークンとしての特性を十二分に生かしたセキュリティと安価で予測可能な手数料をカバーすることになり、多くのユーザーに採用される「キラーアプリ」となることが期待されます。
更に、COTIは小売業での暗号通貨採用を後押しする決済システム『DjedPay』のスニークピークをTwitterで公開しました。DjedPayソリューションのモバイルインターフェースのスクリーンショットでは、顧客が数回のクリックでCardanoのUSDペッグステーブルコインであるDJEDで送金を行うことができるようになるようで、トランザクションを承認するために、ユーザーは自分のメールアドレスと名前を保存するだけでよいとのことで、暗号の初心者にとっても直感的なUIを提供することになるようです。
『Djed』とは?
IOGのブログによれば、『Djed』は正式な検証と「科学的手法」というカルダノの哲学に沿って、市場で初めて正式に検証されたステーブルコインです。
そしてDjedは、自律型銀行として機能する、暗号資産に裏付けられたアルゴリズム・ステーブルコイン・コントラクトで、ベースコインのリザーブを保有し、ステーブルコインとリザーブコインのミント(発行)とバーン(焼却)を行うことで機能するとのことで、暗号資産を(過剰)担保としたものです。
このプロセスには、手数料の徴収も含まれており、それがリザーブに蓄積されます。リザーブコインの保有者は、価格変動のリスクを負う一方で、徴収された手数料から利益を得ることができます。
COTIは以前、Djedの米ドルペッグ維持のための準備コインとして、2月にSHENを紹介していましたが、最近Cardano Dailyが明らかにした情報によれば、DjedはSHENとの担保比率を400%から800%の間で維持する予定であり、この担保比率は、DJEDとSHENが交互に行うミントとバーンの演習によって維持される予定とのことです。
U.TODAYによれば、ステーブルコインの最初のリリース(v1.1.1またはMinimal Djed)は、Vasilハードフォーク互換性を誇り、オラクルのアップグレードは、6つの外部ソースをサポートする予定とのこと。
また、2023年に予定されている次の2つのリリースでは、Djedステーブルコインのチームは、独立した流動性プロバイダーを引き付けるために、ダイナミックな手数料と価格、さらにステーキングの機会も導入する予定であると伝えています。
『USDA』ステーブルコイン
カルダノ・ブロックチェーンの公式商業部門であり、創設主体であるEMURGOは、米ドル担保型ステーブルコイン「USDA」を発表しました。
USDAは、カルダノのエコシステムにおいて、完全にフィアットに裏打ち(1米ドル:1USDAトークン)された、規制に準拠した初のステーブルコインです。規制に準拠するためには、USDAトークンの枚数は、管理する銀行口座のUSDと一致しなければならず、これを独立した第三者によって定期的に監査され、監査結果が公開されることが必要となります。ちなみにUSDTはこれを拒否しています。
USDAは2023年第1四半期に、伝統的な金融(TradFi)とDeFiの間のギャップを埋めることを目的としたEMURGOの新しい製品群であるAnzensプラットフォームでローンチする予定とのこと。
EMURGOよれば、Anzensは、誰もが自分のドルをトークン化し、カルダノ・ネイティブ・アセットとして移動できる、カルダノ・エコシステム内で提供される規制金融サービス製品へのポータルを提供します。
これによりユーザーは、クレジットカード/デビットカード、電信送金、ACH、またはADAの変換を介してUSDAに米ドルをトークン化することができるようになる予定です。
また、USDのトークン化と同時に、EMURGOはUSDCやUSDTを含む他のステーブルコインのUSDAへの安全で便利な変換をまもなく可能にし、さらにBTCやETHなどの暗号通貨の変換とスワップを可能にする計画があることを発表しています。
目標は、Anzensの一連の製品に、規制された借入と貸付サービス、即時のカード支払いのための暗号からUSDへの通貨変換、USDAで報酬を支払うステークプールが含まれるようにすることと述べています。
詳細を知り、ウェイティングリストに参加するには、www.anzens.com をご覧ください。
『iUSD』ステーブルコイン
カルダノ上に構築された分散型合成資産発行プロトコルのIndigoが、USDベースのステーブルコインであるiUSDやその他の合成資産であるiAssetsのローンチを発表しました。
Indigoによれば、iUSDは、USDC、USDT、TUSDの三つの中央集権型ステーブルコインに、定期的にChainlink等のオラクルサービスを通じて、価格データを受信してペッグします。
iUSDは3つの中央管理型ステーブルコイン(USDC、USDT、TUSD)の中央値を追跡し、追跡した3つのステーブルコインのいずれかがデペッグするような不安定な状況下でも弾力性を確保するとのこと。
iUSDがペッグを維持する方法
Indigoは、iUSDの価格を安定させるために裁定者にインセンティブを与えるプロトコルルールに依存しており、これらのルールは、iUSDと他のiAssetが常にADAで完全に担保されていることを保証するものであると述べています。
また、Indigoは、定期的にChainlink等のオラクルサービスを通じて、外部からの価格データを受信しています。価格が更新された後、担保比率がプロトコル全体で調整され、必要な過剰担保レベルを強制するために清算が行われるようになると説明しています。
更にIndigoはCardanoのeUTXOアーキテクチャを利用して、担保不足のポジションを効率的に凍結し、Stability Poolと呼ばれる流動性のプールを通じてそれらのポジションを容易に利用できるように清算しています。
将来性
Indigo DAOは、借入コストの自動的な動的調整、金利曲線、保険プール、償還、担保の再分配など、ペッグをさらに安定させるために将来的に他の安全機構の採用を検討する予定です。
Indigoは、カルダノのエコシステムが成熟し、追加のステーブルコイン、ステーブルスワップ取引所、利回り集約プラットフォームなどの新しいツールが導入されるにつれ、iUSDとIndigoの将来のiAssetsがそのエコシステムの中核となることを目標にしています。
詳細は下記の記事を参照ください。
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カルダノ分散型台帳システムによるステーキングの魅力とその方法:2021版
Q&A:カルダノ、ステーキングに関する基本的な説明集
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ヨロイウォレット Chromeブラウザ機能拡張版マニュアル
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COTI Network(COTI)のShahaf Bar-Geffen氏がCardano Summit2022で、カルダノ(ADA)のアルゴリズム・ステーブルコイン「Djed」が1月にメインネットでローンチすると発表しました。
また、メインネットリリース後すぐに、このステーブルコインは40以上の分散型取引所、DeFiプロトコル、オンチェーンレンディング/担保ツールなどに統合される予定です。
Coinbase Japanカルダノ(ADA) の取り扱いを開始
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COTIが開発を進めるカルダノの次期過剰担保型のアルゴリズム・ステーブルコインDjedが、小売業での暗号通貨採用を後押しする決済システム『DjedPay』のスニークピークがTwitterで公開されました。
COTIのCEOであるShahaf Bar-Geffen氏は、Cardano Summit2022のメインステージで、カルダノの過剰担保型アルゴリズム・ステーブルコインであるDjedは、完全監査に成功し、今年2023年1月にメインネット上でライブになると発表しました。
COTIブログ:カルダノのアルゴリズム・ステーブルコイン『Djed』が2023年1月にメインネットへ
Cardano Daily:カルダノ・ステーブルコインDJEDのペグを維持するためのモデルを公開
DJEDはSHENとの担保比率を400%から800%の間で維持する予定であることを、Cardano Daily(Cardanoに特化した最新情報を提供する非公式Twitterハンドル)が最近明らかにしました。
カルダノが2023年1月にメインネット上でライブとなるステーブルコインDjedは、Djedの公式準備コインであるShenトークンとのステーブルコインの担保比率を維持するために、ミントとバーンを交互に行うアルゴリズムモデルによって、そのペグを維持する予定です。
カルダノ(ADA)IO ScotFestでのチャールズ・ホスキンソン氏の基調演説「The Age of Voltaire」全訳【第二回】
カルダノコミュニティが2つのプロジェクトにレッドフラグを立てた
カルダノベースのプロジェクト「Ardana」と「Orbis」が停止に追い込まれていると発表しました。
カルダノの創設者、失敗したArdanaプロジェクトで50万ドルを失ったかもしれないと語る
カルダノのDeFiハブとして開発が進められていたArdanaは、資金調達の制約と不確実な状況を理由に停止に至ったと自身のツィートで表明しています。
これによりカルダノの創設者であるチャールズ・ホスキンソン氏は、自身の動画『Rugs and Failed Projects』で失敗したArdanaプロジェクトで500Kを失ったかもしれないと述べました。
カルダノ 週間開発レポート:2022年11月25日
ハイライト
- コアテクノロジーの改良に関する作業が進行中
- Laceの開発が進行中 SECPの実装が最終段階
- Hydra v.0.8.1とMithril2246.1ディストリビューションリリース
- VoltaireCIPリリース
カルダノ・ネットワークの現時点での統計
- 開始されたプロジェクト:106
- 開発中のプロジェクト:1146
- ネィティブトークン:6.9m
- トークンポリシー:65539 Plutusクリプト:3759
- トランザクション:55.3m
IOGブログ:IOGがカルダノにもたらしたもの
カルダノの開発会社IOGが、新しいエコシステムの広がりとVoltaireの時代の幕開けを祝うための『IO ScotFest』を機に、これまでのIOG開発の軌跡を5つの開発フェーズで辿り、IOGがカルダノにもたらしたものについて記事で紹介しています。
メインネットに登場して以来5年が経過したカルダノの今を理解する上で、とても参考になる記事です。
JPG StoreとWinterがコラボレーション:クレジットカードでNFTを購入可能に
JPG StoreとWinterのコラボレーションにより、クレジットカードでNFTを購入することができるようになりました。クレジットカードでNFTを購入する場合、ADAは必要ありません。この機能は現在、Clay Nationのページで展開されており、今後数週間のうちに他の様々な統合が予定されています。