2023年を振り返る【上半期】カルダノの大量採用に向けた大戦略から始まったカルダノの大躍進
はじめに
2023年もあっという間に残り10日を切るところまで来てしまいました。2023年は暗号業界にとって多くの意味で画期的な年であったと言えるでしょう。特に、米国証券取引委員会（SEC）との規制問題をめぐる対立は、市場に大きな変動をもたらしました。前半の時価総額の大幅な下落は、業界全体に不安をもたらした一方で、後半のビットコインETF申請に関連する注目と資金流入は、再び暗号業界が次の段階へ進むための原動力となりました。
このような市場の波乱含みの動きとは対照的に、技術の進化と開発は着実に進んでいます。暗号業界が成熟し、規制に対応できる体制を整えつつある点は、特に注目に値します。技術的進歩と規制対応能力の向上は、暗号業界の持続可能な成長にとって不可欠な要素です。
カルダノは2023年、その発展と成熟度を如実に示しました。ビットコインやイーサリアムと並ぶ、第三世代ブロックチェーンとしての地位を確立し、一年を通してトップレベルの開発を続けたことは特筆すべき成果です。プロトコル1.0の完成に向けて進行中であることは、カルダノがブロックチェーン技術の革新と進化において重要な役割を担っていることを示しています。
カルダノの成功は、単に技術的な進化だけに留まらず、分散型ガバナンス、エコシステムの拡張、スケーラビリティソリューションの導入など、多面的な進歩を遂げています。これらは、分散型技術の本質的な価値を実現し、より幅広い採用につながる可能性を秘めています。
2023年のカルダノの進展は、2024年に向けた大きな飛躍の土台を築いたと言えるでしょう。カルダノのような革新的なプラットフォームが持つポテンシャルは、暗号業界だけでなく、金融、ガバナンス、サプライチェーン管理など、さまざまな分野に大きな影響を及ぼすことが期待されます。
この一年の出来事は、暗号業界がただの投機的な空間から、実用的で革新的なソリューションを提供する業界へと進化していることを示しています。カルダノのようなプラットフォームが、暗号業界の成熟と安定性を牽引する役割を果たしているのは明らかです。このような進展は、業界全体にとって非常に肯定的であり、未来に向けて楽観的な見通しを提供しています。
特筆すべきはカルダノDeFiの成長です。2023年12月20日現在でUSDベースADAベースでそれぞれのATHを更新し続けています。
これらはイーサリアムベースDeFiのグラフと比較しても以下にカルダノDeFiの成長が著しいかがみて取れます。
この傾向は2024年にはさらに加速して、2023年に構築した戦略をベースにさらに大きな成長が期待できると考えられます。
そこで今回は上半期と下半期の2回に分けて、怒涛のカルダノ2023年を振り返りたいと思います。まずは上半期からどうぞ。
2023年カルダノの本格的な大量採用に向けた11の大戦略：エポック384
2023年1月1日 16:41
2023年のカルダノは、その技術的革新とエコシステムの拡張により、ブロックチェーン業界において重要な地位を確立しました。本年は、カルダノがデジタル金融とWeb3.0の世界で本格的な採用を目指すフェーズに入った年として記憶されるでしょう。
年初には、チャールズ・ホスキンソン氏が「暗号に最も影響力のある人物」として評価され、カルダノがその存在感を高めました。カルダノは、Vasilアップグレードを成功させ、強固なブロックチェーン基盤を構築。これにより、イーサリアムと肩を並べる競合相手としての地位を確固たるものにしました。
2023年のカルダノの戦略は、分散型ガバナンスの導入、エジンバラ分散化インデックス（EDI）の開発、RealFi戦略の推進、ステーブルコインの導入、Web3プラットフォームLaceの開発、サイドチェーン戦略、レイヤー2スケーラビリティソリューションHydraの開発、Mithrilの開発、データ保護に基づくブロックチェーンプラットフォームMidnightの発表、そして次世代プロトコルOuroboros Leiosの進展といった、多岐にわたります。
これらの戦略は、カルダノエコシステムの成長を促し、金融プラットフォームとしての採用を加速させました。特に注目すべきは、Web3.0時代の到来に対応するためのプラットフォームLaceの開発です。これは、分散型流動性ガバナンスの進化を表現し、DAppsストアの組み込みや、マルチチェーンウォレットとしての機能を提供します。
カルダノの2023年は、デジタル金融プラットフォームとして、そしてWeb3.0プラットフォームとしての本格的な採用への道を切り開く重要な年であったと言えるでしょう。これらの戦略と技術のリリースは、金融プラットフォームとしてのカルダノの採用を促進し、カルダノエコシステムに多くのプロジェクトをもたらしました。今後もカルダノの進化と採用は、より長期的かつ明確なビジョンで見ることができるようになりました。
2023年の始まりから、カルダノはWeb3.0の台頭、暗号規制の進展、分散型ガバナンスの導入、RealFi戦略、DeFiキラーアプリの開発などに注力しました。
特に重要なイニシアチブには、スケーラビリティの拡張、エコシステムの拡張、Voltaireフェーズの開始、EDIプロジェクトの開発、ステーブルコインの導入が含まれます。
また、Web3プラットフォームLaceの進展、サイドチェーン戦略、レイヤー2スケーラビリティソリューションHydra、高速な同期と安全なトランザクション検証を可能にし、カルダノネットワークの利便性と効率を大幅に向上させたMithril、データ保護に基づくプラットフォームMidnightの開発などが特筆されています。これらの戦略は、カルダノの大量採用を目指し、金融プラットフォームとしての地位を強化することを目標としていました。
2023年、カルダノの大量採用に向けた主要戦略は以下の通りでした。
- 分散型ガバナンスの導入（Voltaire時代の開始）: Vasilアップグレード成功後、カルダノは分散型ガバナンスと自律分散化に向けた取り組みを更に進めています。
- エジンバラ分散化インデックス（EDI）の開発: カルダノはエジンバラ大学と提携し、ブロックチェーンの真の分散化を測定するためのEDIを開発しています。
- RealFi戦略: カルダノは、アイデンティティ、評判、資産管理を完全にコントロールするRealFiを推し進める計画です。
- ステーブルコインの導入: カルダノは2023年の第一四半期に少なくとも3つのネイティブ・ステーブルコインをリリースする予定です。
- Web3プラットフォームLaceの開発: カルダノコミュニティはWeb3時代のプラットフォーム「Lace」の開発を進めており、2022年12月には最初のテストバージョンがリリースされました。
- パラレル・サイドチェーン戦略: Vasilアップグレード後のBasho2.0フェーズでは、多様なサイドチェーンの導入によりカルダノエコシステムを拡張しています。
- レイヤー2スケーラビリティソリューションHydraの導入: Hydraは、カルダノのレイヤー2スケーラビリティソリューションで、低レイテンシーと高スループットによる取引速度の向上を目指しています。
- 効率性、安全性、軽量性をもたらすMithril: Mithrilはレイヤー2スケーリングプロトコルで、メインネットとサイドチェーン間の転送を効率的かつリアルタイムに検証・確認します。
- データ保護に基づくブロックチェーンプラットフォームMidnight: IOGは、データ保護に基づくブロックチェーンプラットフォーム「Midnight」とその新トークン「Dust」を発表しました。
- 次世代プロトコルOuroboros Leiosの開発: カルダノは「超高速＆低コストレイヤー1」を実現する次世代プロトコルOuroboros Leiosの開発を進めています。
これらの戦略は、カルダノエコシステムの成長と大量採用を目指す上での重要なステップです。
実際にこれらの一つ一つの戦略が大きな進展を見せており、これらが全て組み合わさってダイナミックな成長を遂げることができました。2023年のカルダノの戦略は、エコシステムの拡大とイノベーションの促進に大きな影響を与えたと言えます。
Web3プラットフォームの進展やDeFiキラーアプリの開発は、カルダノの採用と利用を広げましたVoltaireフェーズの開始は、カルダノのガバナンスに関する重要な改善提案CIP-1694を筆頭に、カルダノの分散型ガバナンス構造を強化し、コミュニティの参加と意思決定プロセスにおける透明性を高める分散型ガバナンスとエコシステムの透明性を強化しました。ステーブルコインの導入やレイヤー2スケーラビリティソリューションの開発は、カルダノの金融プラットフォームとしての機能を拡張しました。これらの成果は、カルダノをより競争力のあるブロックチェーンプラットフォームに変え、業界全体に影響を与えたと言えます。
RealFiが切り開くNFTの可能性：エポック385
2023年1月6日 9:31
「RealFiが切り開くNFTの可能性」では、カルダノの創設者チャールズ・ホスキンソン氏がビットコインの誕生日を記念して公開した「PFP, Art, and Sharing」という動画の内容とNFT市場の動向を紹介しています。動画では、RealFiにおけるNFTの可能性、特にSNSのプロフィール画像としてのNFTの使用や、NFTに関連する法的問題について議論されています。また、この時期のNFT市場の最新動向としては、取引量の減少が起こっていますが、同時にNFTの新しい用途が拡大していました。具体的には、ゲームやアート、デジタルアイデンティティ、不動産などの分野でのNFTの活用が増えています。これにより、NFTは単なる収集品を超えた価値を提供する可能性が高まっており、多様な産業における応用が期待されていました。
カルダノのRealFi戦略は、ブロックチェーンと金融の融合を推進することに重点を置いています。この戦略の一環として、NFTは重要な役割を果たしており、所有権の証明、デジタルアイデンティティの管理、不動産や著作権などの分野での応用が期待されています。将来的には、NFTを用いた経済システムの構築や、より広範な産業への応用が見込まれており、ブロックチェーン技術の利用範囲が拡大し、新しい経済モデルの創出が期待されています。
いよいよ間近に迫るDjedの登場とカルダノDeFiの今後の展開：エポック386
2023年1月11日 6:57
2023年のカルダノにとって重要なトピックの一つとして、ステーブルコイン「Djed」のメインネットへの導入と、カルダノDeFiの発展でした。Djedは、COTIによって開発された過剰担保型ステーブルコインであり、ADAトークンに支えられています。このステーブルコインの導入は、カルダノのDeFiエコシステムにおける大規模なアップグレードと流動性の活性化をもたらすと期待されていました。
また、2023年はカルダノの大量採用に向けた戦略が進行中であり、ステーブルコインの規制とDeFi市場の動向がカルダノの展開に重要な影響を与えると考えられていました。ステーブルコインの規制は欧州では大きな進展を見せましたが、米国では現在多くの議論を巻き込んで規制の行くへを見守っている状態です。
Djedは2023年前半期においては暗号業界へのSEC訴訟も相まって低調な出足となりましたが、現在はカルダノDeFiにおいて第4位のプロジェクトとして$23.89mを記録しており、カルダノエコシステムへの貢献を果たすべくバージョン2へのアップデートを進めながら前進を続けています。
CIP-1694がもたらすカルダノ新オンチェーンガバナンス：エポック387
2023年1月15日 17:44
「CIP-1694がもたらすカルダノ新オンチェーンガバナンス」では、カルダノの2023年の進展について、特にヴォルテールフェーズの重要な要素であるCIP-1694の実装に焦点を当てています。ヴォルテールフェーズは分散型ガバナンスと意思決定メカニズムを強調し、カルダノのロードマップにおいて重要な進化を示しています。CIP-1694によって導入された新しいオンチェーンガバナンスシステムは、コミュニティメンバーによる意思決定への参加を増やし、ネットワークの民主化を図っています。
まずはこのCIP-1694を理解し、これをコミュニティが評価することからが、カルダノ2023年のヴォルテールは始まりだったと言えます。
CIP-1694は、カルダノのオンチェーンガバナンスを民主化するために、コミュニティ主導の意思決定プロセスを導入することを提案しています。これには、カルダノのネットワークアップデートや改善提案に対するコミュニティメンバーの投票権の付与や、意見交換のためのプラットフォームの確立などが含まれます。これにより、カルダノユーザーはネットワークの発展に直接影響を与えることができるようになり、分散型自治組織（DAO）に近い形での運営が可能になることを目指しています。
成長するコミュニティ主体のカルダノ・エコシステム最前線まとめ：エポック389
2023年1月26日 7:07
2023年のカルダノ・エコシステムは、この時期にはコミュニティ主体の取り組みがますます活発化してきた時期でした。多様な開発言語の採用、Vasilハードフォークの成功、そして新たな開発プラットフォーム「Plutus v2」の導入によるスマートコントラクトの強化がありました。また、HaskellのWebブラウザ実行可能化、Python版スマートコントラクトのデモ公開、CIP-30によるDAppsとウォレットの連携強化など、技術的進化が顕著でした。
さらに、カルダノ上のカスタムサイドチェーン開発ツールキットのリリースや、相互運用性と安全なクロスチェーンDApp開発の推進など、エコシステムの拡大が見られました。カルダノのサイドチェーン戦略は今年11月に発表されたパートナーチェーン戦略の発表へと進展してきます。
これらのコミュニティ主体のエコシステム拡張としては、プロジェクト数の増加やTVLの増加が特筆されます。これらのコミュニティ主体取り組みが、カルダノのさらなる成長を促していると言えるものでした。特に、多様な開発者との連携強化、コミュニティ主導のプロジェクトの増加、そしてコミュニティメンバーによるイノベーションと貢献が目立っています。これらの取り組みは、カルダノ・エコシステムの成長と発展に大きく寄与しています。
カルダノ・ブロックチェーンはインターオペラビリティ新時代へ、その輝かしい未来に迫る：エポック390
2023年1月31日 8:14
2023年のカルダノ・ブロックチェーンは、インターオペラビリティ（相互運用性）の拡張に大きな進展を見せました。プロトコル間の互換性を強化するマルチレイヤー・アーキテクチャを基盤に、PlutusやMarloweなどの重要なプロトコルを活用し、安全で持続可能なエコシステムを提供しています。これにより、異なるブロックチェーン間での資産交換やDApps開発が容易になり、イノベーションとコラボレーションの新たな可能性が拓かれました。また、コミュニティ主導のガバナンスモデルを採用することで、相互運用性の促進とエコシステムの成長を実現しています。これらの進展により、カルダノはブロックチェーンの相互運用性分野のリーダーとしての地位を確立し、ブロックチェーンのリーダー的な存在としてより強固な躍進のための基礎を固めるものでした。
特にカルダノのEUTXOモデルとレイヤー設計は、ブロックチェーンの相互運用性において大きな革新をもたらしたと言えます。このモデルは、トランザクションの効率性とセキュリティを強化し、異なるブロックチェーン間での相互運用性を高めることに成功しました。これにより、カルダノはブロックチェーンの分野でリーダー的な存在となり、その技術的な先進性と実用性を証明していくことになるでしょう。その成果は今年11月のパートナチェーンの発表にも現れています。
次期アップグレード『Ouroboros Genesis』がもたらすもの：エポック391
2023年2月5日 8:48
この時期は「Ouroboros Genesis」という次期アップグレードです。このアップグレードは、カルダノにビットコインと同等のセキュリティ機能を持つ最初のPoSブロックチェーンをもたらすことで注目されました。
まず、Ouroboros Genesisの重要性を理解するためには、Ouroborosプロトコル自体の意義を知ることが重要です。Ouroborosはカルダノブロックチェーンで使用されているプルーフ・オブ・ステークのコンセンサスプロトコルであり、証明可能な安全性を持つ最初のプロトコルとして知られています。Ouroboros Genesisのアップデートは、この既存のOuroboros Praosプロトコルをアップグレードするもので、Nothing-at-stake問題とブートストラップ問題の解決を目的としていました。これにより、分散化されたオープンな環境でのロングレンジ攻撃の脅威を軽減することが可能となります。
Ouroboros Genesisの最大の特徴は、ダイナミック・アベイラビリティ（動的可用性）を実現することです。これは、ネットワークの全体的な機能を中断することなく、ノードが柔軟かつ絶えず変化する方法でネットワークに参加したり離脱したりする能力を指します。この機能は、現在のPoSブロックチェーンシステムでは実現されておらず、ビットコインに近いレベルのセキュリティを実現する重要なステップとされています。
また、Ouroboros Genesisは「コンポーザビリティ（複数の要素や部品を結合して構成や組み立てが可能な能力）」という概念を導入し、互いに相互作用できる複数のブロックチェーン・ネットワークを作成します。これにより、スケーラビリティや動的可用性といった従来のPoSシステムの制限を解決し、より大きなネットワークを形成できるようになります。
このアップグレードは、新しい参加者やオフラインの参加者が、特別なアドバイスや過去に関する仮定を必要とせずに、最初からブロックチェーンに参加し、使い始めることができるように設計されています。これにより、カルダノブロックチェーンの安全性、拡張性、持続可能性、相互運用性が高まり、分散型経済の需要により良く対応できるようになると期待されています。
このアップグレードは、カルダノがビットコイン・レベルのセキュリティに近づくと同時に、既存PoSブロックチェーンの制限を解除し、分散型P2Pネットワークと分散型ガバナンスの導入により、カルダノを業界最高峰のパブリック・ブロックチェーンへと押し上げることになるものです。
カルダノ・エコシステムにDAO時代到来を告げる『SundaeSwap DAO』：エポック392
2023年2月10日 8:00
2023年のカルダノ・エコシステムで特に注目すべきは「SundaeSwap DAO」の進展でした。これは、分散型自律組織（DAO）としてのカルダノの可能性を具現化する重要なマイルストーンとなりました。
2023年は、カルダノがVoltaire時代に突入し、分散型ガバナンスの時代を迎える年でもありました。2023年以前にすでにステーキングの分散化の実現、P2Pネットワーク導入の準備が整い、そして現在新しいオンチェーンガバナンスのCIP-1694への移行が進んでいます。これらの進展は、カルダノを真の分散型プラットフォームへと変革しています。
その中で重要と言えるものは、SundaeSwapが最初のオンチェーンガバナンス投票を開始したことでした。これは、カルダノ・エコシステムにおける最初のプロジェクトにおけるマイルストーンとして注目されています。SundaeSwapは、そのDEXを完全な分散型プロジェクトとして確立するために、ガバナンスを重要な要素と捉えています。
SundaeSwap DAOの取り組みは、DAOの最初のガイドライン作成についての投票から始まり、参加者は手数料なしで投票できました。このDAOの取り組みは、SundaeSwapコミュニティのメンバーが分散型ガバナンスプロセスと手続きを決定するプロセスに参加することを可能にしています。
2023年のカルダノの進展は、分散型自律組織の概念を具体化し、ブロックチェーン技術を利用した新しい形態のガバナンスとコミュニティ参加を推進する上で重要な役割を果たしています。SundaeSwap DAOの成功は、カルダノが提供する進化した分散型ガバナンスの可能性を示す一例となり、今後のDAOプロジェクトに対する大きな期待を生むことになりました。
[追加更新]米国SECのステーキング規制の動きとカルダノへの影響について考える：エポック393
2023年2月15日 7:14
2023年前半のカルダノにおける重要な出来事として、米国証券取引委員会（SEC）によるステーキング規制の動きが挙げられます。特にKrakenの米国顧客向けのステーキング・サービスが無登録の証券提供にあたるというSECの発表と、それがカルダノに与える影響は大きいものでした。
SECの発表は、Krakenがステーキング・サービスの提供を停止し、和解金として約39億円を支払う結果に至りました。この動きは、中央集権型のステーキングサービスに対する規制の可能性を示唆し、暗号通貨業界全体に衝撃を与えました。
一方で、カルダノは分散型のプルーフ・オブ・ステーク（PoS）プロトコルを採用しており、この種の規制の影響を受ける可能性は低いと考えられています。カルダノのステーキングは、委任者自身が直接管理するウォレットから行われ、第三者が顧客の資産を預かる中央集権型の取引所とは異なる特性を持っています。
SECはこの時点ではカルダノのステーキングを有価証券として分類しておらず、分散型金融（DeFi）やブロックチェーンベースのネットワークに関連する多くのデジタル資産が証券とみなされる可能性があると述べていますが、カルダノはこれらの規制から影響を受けにくい構造を有しているとされています。
この状況を受けて、カルダノの創設者チャールズ・ホスキンソン氏は、「コンティンジェント・ステーキング」という新しい概念を提案しています。これは、必要に応じてKYCを導入し、規制に準拠したステーキングを可能にするものですが、オプションとして提供され、カルダノの分散型ガバナンスによってコミュニティの投票で決定されるよう提案をしました。現在これは行われていません。
今後のカルダノは、SECの規制の動向に対応しつつ、その分散型の特性を活かして、ステーキングの分野でさらなる進化を遂げる可能性が高いと考えられます。これらの動きは、カルダノが分散型金融の分野で重要な役割を果たし続けるための基盤となり得ると考えられます。
カルダノ・コア基盤を強力に拡張するアップグレード最新状況：エポック394
2023年2月20日 7:12
2023年、カルダノはその革新的なアプローチと技術的進展によって、ブロックチェーンの分野で顕著な成長を遂げました。特に、この年はカルダノのコア基盤の強化に焦点を当てた年であり、多くの重要なアップグレードが行われました。
年の始まりには、バレンタインデー・ハードフォークが実施され、新しい暗号プリミティブの導入により、カルダノのセキュリティ強化とエコシステム拡張が図られました。このアップグレードにより、カルダノの相互運用戦略が強化され、カルダノプロトコルの安全性が一層高められました。
カルダノのブロックチェーン・トリレンマの解決においては、科学的なアプローチを用いた開発によって、セキュリティ、スケーラビリティ、分散化の三つの要素を高度にバランスさせています。カルダノは、プルーフ・オブ・ステーク・コンセンサスモデルによるOuroborosプロトコルと、その独自のEUTXO（拡張UTXO）モデルを通じて、ビットコイン・レベルのセキュリティとイーサリアムのスマートコントラクト技術を組み合わせ、拡張性と相互運用性を実現しています。
2022年9月には、Vasilアップグレードが実施され、カルダノの基礎的な基盤が確立されました。これにより、カルダノは持続可能な世界最高峰のパブリック・ブロックチェーンを実現し、そのエコシステムの拡大へと繋がりました。
2023年の技術アップグレードには、Ouroboros Genesisの導入が予定されており、これはカルダノのPoSシステムの拡張として、世界最強レベルのPoSパブリック・ブロックチェーンへの一歩となります。このアップグレードは、「コンポーザビリティ」という概念を導入し、複数のブロックチェーン・ネットワークが互いに相互作用できるようになり、スケーラビリティや動的可用性の問題を解決します。＊現時点ではOuroboros Genesisアップグレードが実行されていません。
また、サイドチェーンの導入により、カルダノのエコシステムは無限で多様なビジネスモデルの導入が可能になり、メインチェーンの信頼性を維持しつつ機能を拡張する役割を果たします。これにより、メインチェーンとサイドチェーン間でのデータ（資産やDAppsなど）の移動が容易になり、エコシステム全体の成長が促進されます。
さらに、イーサリアム互換のサイドチェーンの概念実証（PoC）の開始は、dAppsとDeFiの分野でカルダノの重要性を高め、ブロックチェーン技術の使用に新たな革命をもたらす可能性を示しています。
Hydraプロトコルの開発により、レイヤー2スケーリングが進展し、カルダノネットワークの取引速度とスケーラビリティが大幅に向上しました。これにより、Plutusスクリプトを使用したオフチェーン処理が可能になり、メインレイヤーのセキュリティを維持しつつ、効率的な並列ネットワークが構築されました。
Mithrilという新技術も導入され、カルダノノードの高速ブートストラップと同期時間の短縮が実現されました。これにより、カルダノエコシステム内での操作の効率性が向上しました。
最後に、Midnightという新しいブロックチェーン・プラットフォームの発表は、機密性の高い商業データや個人データの保護という新しい次元をカルダノにもたらしました。これにより、カルダノはデータの取引、公開、共有において新しい価値を提供することができるようになりました。
これらの技術革新により、カルダノはブロックチェーンの分野でのリーダーシップをさらに強化し、そのエコシステムの成長と拡張を加速させています。このように、2023年のカルダノは、技術革新とエコシステムの拡張によって、ブロックチェーン技術の新たな可能性を切り開いています。
深まるコンティンジェント（条件付き）・ステーキング（CS）についての議論最新まとめ：エポック395
2023年2月25日 7:09
2023年前半のカルダノ・コミュニティを振り返ると、特に重要なトピックの一つが「コンティンジェント（条件付き）・ステーキング（CS）」に関する議論でした。カルダノは2023年にヴォルテール期に入り、カルダノ・ネットワークを完全自律分散型システムにするための重要なパーツが組み込まれた年となりました。この動きの中で、チャールズ・ホスキンソン氏が提案したCSに関して、カルダノ・コミュニティ内で活発な議論が交わされました。
CSは、SECのステーキングサービスに対する規制の圧力が増す中、大きな注目を集めました。この提案は、特に米国のユーザーが規制に準拠した形でステーキングに参加できるようにすることを目的としています。CSに関する議論は、ホスキンソン氏の動画やツイート、コミュニティが作成した「CS Conversation Board」での意見交換を通じて行われました。
議論の内容としては、CSの導入により、自由な結社、プライバシー保護、新しいビジネスモデルの可能性、分散化の増加、ADAの価値創造促進などの利点が挙げられました。しかし、一方で、複雑さの導入、分散化と個人の権利への脅威、潜在的な差別や検閲、中央集権化のリスクなどの懸念も表明されました。
ホスキンソン氏は、CSによってステークプール・オペレーターが委任候補者に情報を要求し、提供されたデータに基づいて委任の受け入れまたは拒否を行うことが可能となると述べ、KYCとは関係ない他のユースケースも可能になると主張しました。彼はまた、CSなしでもステークプール・オペレーターがトランザクションを検閲することができると指摘しました。
これらの議論は、カルダノコミュニティが主役の分散型ガバナンスが始動しようとしている中で行われ、カルダノの真の分散化と繁栄を成し遂げるために、一人一人が学び、議論を深め、投票により前進する必要性を示していると言えるものでした。
Voltaire最新情報、3つのガバナンスの柱とProject Catalyst、SVE、Fund10：エポック397
2023年3月7日 6:59
2023年、カルダノの重要な一年となったVoltaire時代は、分散型ガバナンスシステムの導入に重点を置きました。この時代は、カルダノ・プロトコル1.0の完成へ向けた5つのフェーズの最終段階であり、コミュニティの自律的な参加とプラットフォームのガバナンスへの関与を目的としていました。Voltaireの核となるのは、カルダノコミュニティがプロトコルのアップグレードや改善の提案と投票を行うことができる、分散型ガバナンス・システムの完成です。これにより、カルダノはコミュニティのニーズに合わせて、柔軟かつ透明な開発を実現することに成功しました。
特に注目されたのは、Project Catalystとその進化です。これは2020年に始まった、世界最大の分散型イノベーションファンドの一つで、カルダノコミュニティが推進するエコシステム開発とイノベーションの中心です。Project Catalystを通じて、カルダノコミュニティは提案されたアイデアを評価し、優れたアイデアに資金を提供することで、プラットフォームの発展に直接関与しました。2022年までに、610万件以上の提案を受け付け、170万件以上の投票を達成し、約120万件のプロジェクトに資金を提供するなどの顕著な成果を達成しました。
Voltaireは、3つのガバナンスの柱：MBO（会員制組織）、CONSTITUTION（憲法）、DEMOCRATIC CONSENT（民主的合意）を導入しました。これらの柱は、カルダノコミュニティのルールセットとガバナンスプロセスを定義し、コミュニティメンバーがカルダノの変更に対して投票または貢献できるCIP-1694の実装に重要な役割を果たしました。
Project Catalystの次のフェーズ、Fund10では、さらにコミュニティの開発力を引き出し、自立持続可能型のエコシステムを支援する計画でした。また、特別な投票イベントSVE（スペシャル・ボーティング・イベント）は、Catalystのファンドサイクルとは関係ない意思決定についてコミュニティの承認を得るために重要な役割を果たしました。
2023年のVoltaire時代を通じて、カルダノは分散型ガバナンスの究極のコアバリューを実現し、コミュニティの意見と協力によって、カルダノ・プロトコル1.0の完全版を完成させ、持続可能な経済的モデルを実現しました。これは、カルダノの未来に大きな影響を与え、規制に対してもより柔軟に対応することを可能にしました。
「カルダノと分散型ガバナンス」デジタル時代における民主主義の回復を目指す透明性に満ちた力の源：エポック401
2023年3月27日 7:00
カルダノの分散型ガバナンスの取り組みは、民主主義の回復と透明性の増進を目指しています。カルダノは、ステークの証明や研究主導のアプローチを通じて、ブロックチェーン技術の第三世代として分散型ガバナンスに重点を置いています。2023年、カルダノはプロトコル1.0の最終段階であるヴォルテール時代を開始し、オンチェーンでの分散型ガバナンスの構築を進めました。これには、CIP-1694という重要な提案が含まれています。
CIP-1694は、カルダノの分散型ガバナンス構築の基盤となるもので、コミュニティによる共同作成が進行中です。これは、会員制組織、憲法、民主的合意の3つの柱に基づいて構築され、エコシステム内のすべての人が積極的な貢献者として参加できるようにすることを目的としています。
カルダノの分散型ガバナンスシステムは、教育、金融、環境持続可能性などの分野で応用が期待されています。科学的な検証に基づく透明性を促進し、流動的な民主主義システムを実現するための潜在能力を示しています。
また、カルダノは2023年にVOLTAIRE時代を本格的に始動させ、分散型ガバナンスの構築に取り組んでいます。これは、民主主義に対する信頼を回復するための重要な一歩であり、カルダノはその方向で進んでいます。
このように、カルダノは分散型ガバナンスの分野で大きな進歩を遂げ、ブロックチェーン技術の可能性をさらに広げています。その取り組みは、世界に本当の民主主義をもたらす起爆剤となることでしょう。カルダノ・コミュニティの一人一人がこの歴史を変える偉大な取り組みに参画し、理解し、議論し、投票することで、世界をより良いものに変えていくことが期待されています。
ネットワークの分散化『ダイナミックP2P』がもたらすもの：ニュース動向 & ステーキング状況 in エポック402
2023年4月1日 7:32
2023年、カルダノのネットワークは「ダイナミックP2P」の導入により大きく進化しました。この技術は、ピアの選択プロセスを自動化し、ネットワークの通信を強化することで、リレーやブロック生成ノードの運用を簡素化しました。ステークプールオペレーター（SPO）はもはや静的な設定や手動入力を必要とせず、P2Pトポロジーモードを使ってリレーを更新することで、P2P機能のテストが可能となりました。
ダイナミックP2Pは、カルダノのネットワーキングプロトコルの進化の一環であり、通信遅延を最小限に抑え、障害や容量制限、悪意ある行為へのネットワークの耐久性を高めています。カルダノのネットワーク分散化の重要な進化であり、ネットワークのパフォーマンス、耐久性、分散性をさらに向上させるものです。
2021年、カルダノはブロック生成を完全にコミュニティに委ねることで、100%の完全分散化を達成しました。ダイナミックP2Pによるネットワークの自動化は、これをさらに強化し、SPOが同じ設定で実行できる公平なP2Pネットワークを実現しました。この進化により、プロトコルの変更なしにピアの選択と通信が自動化され、ネットワークの望ましい回復力を達成しました。
ダイナミックP2Pは、全体的なセキュリティ、拡張性、パフォーマンスを向上させるほか、DoS攻撃やDDoS攻撃に対する抵抗力を高め、SPOがブロック・プロデューサーとリレーを保護しやすくしました。このリリースは、ブロック拡散時間の短縮、スケーラビリティの向上、そして将来的にはエンドユーザー（ウォレット）への自動接続性を提供し、カルダノ・ネットワークの一層の強化を目指しています。
着々と成長を遂げるカルダノ・エコシステム最新状況【2023第一四半期終了時点】：エポック403
2023年4月6日 6:55
2023年の第一四半期におけるカルダノ・エコシステムの成長は、多方面で顕著でした。この期間に、カルダノは約50,000の新しいウォレットアドレスを追加し、トータルで400万のウォレットに達しました。この増加は、カルダノネットワークの拡大と普及を示しています。
具体的な進展として、3月に2つの新しいプロジェクトがローンチされ、合計119のプロジェクトがCardanoで稼働しています。また、カルダノ上で発行されたネイティブトークンの数は800万を突破し、トークンポリシーの数も1,089に増加しました。これらの数値は、カルダノ・エコシステムの活発な開発と多様なアプリケーションの展開を物語っています。
技術面では、Plutus V1スクリプトが139増加し、合計5,234になり、Plutus V2スクリプトは1,550増加しました。この増加は、カルダノ上でのスマートコントラクトの開発と採用が増えていることを示しています。
さらに、Dynamic P2Pがメインネットで利用可能になり、カルダノのネットワーク層がよりインテリジェントに、最適化されています。この進化は、ネットワークのパフォーマンス、強靭性、分散性をさらに向上させるものです。
CIP-30の実装では、Lace v.0.6.0のリリースが行われ、カルダノ・ウォレットとWebページベースの通信ブリッジが可能になりました。これにより、Webページ（dApps）がカルダノ・ウォレットとより容易にインターフェースできるようになります。
また、Marloweプロジェクトの改善やHydraチームの進展、Mithrilベータ版のメインネットリリース準備など、カルダノの多様なプロジェクトが着実な成長を遂げています。これらのプロジェクトは、カルダノ・エコシステムの多様性と機能性の拡大を促進しています。
この四半期の進展は、カルダノ・エコシステムの成長と革新の証であり、今後もさらなる発展が期待されます。
DeFiマーケットとカルダノ【2023年第一四半期終了時点】成長を予感させる指標：ニュース動向 & ステーキング状況 in エポック404
2023年4月11日 7:28
2023年のカルダノとDeFiマーケットの動向についての記事「DeFiマーケットとカルダノ【2023年第一四半期終了時点】成長を予感させる指標」を振り返ると、カルダノの2023年は注目に値する進展がありました。
まず、DeFi市場全体では、トータルバリューロックド（TVL）がシリコンバレーバンク（SVB）問題を乗り越えて安定した成長を見せ、特にイーサリアムの上海アップグレードやLidoのstETHなどが関心を集めました。さらに、ステーブルコインのドミナンス増加やDEXの取引高の増加など、市場は健全な成長を維持しています。
カルダノの観点からは、TVLの成長が顕著でした。2023年第一四半期末時点でのカルダノのTVLは約1億3981万ドルで、ステーキングを考慮するとさらに高い価値になります。ADAベースの流入量も安定しており、市場での存在感が増しています。
Crypto Capital VentureのDan Gambardello氏は、カルダノのADA価格の上昇を予測しており、これはカルダノ・エコシステムへのDeFi先行指標に基づいたものです。また、大型カルダノ・ウォレットのクジラがADAの購入を増やしており、価格のさらなる上昇を予感させています。
技術面では、バレンタイン・アップグレード後、カルダノ・ブロックチェーン上に構築されたDeFiアプリのクロスチェーン機能の強化が注目され、ADAウォレットから直接イーサリアムdAppsにアクセス可能になる予定です。
Grayscale Investmentsによるファンドリバランスでは、カルダノの存在感が増しており、ADAトークンのウェイトが増加しました。
オンチェーンでの成長も顕著で、ブロックチェーン上のネイティブトークン数やウォレットの数が大幅に増加し、委任されたウォレットの数も増加しています。
以上のことから、2023年のカルダノは、DeFi市場での成長と共に、技術革新と市場での存在感を強化していることがわかります。これらの進展は、カルダノ・エコシステムがDeFi分野で重要な役割を果たし続けることを示しています。
Web3のプラットフォームを目指すLaceマニュアル 1.0対応：エポック406
2023年4月21日 6:46
2023年のカルダノのWeb3の振り返りとして、特に注目すべきは「Laceマニュアル 1.0」のリリースです。Lace 1.0は、カルダノの初のライトウォレット・プラットフォームであり、Input Output Global（IOG）によって開発されました。このウォレットは、軽量ウォレット、NFTビューアー、ステーキング機能、DAppコネクターを備え、フルノードウォレットの複雑さを排除し、簡単かつ安全にデジタル資産を管理することを目的としています。
Lace 1.0の特徴としては、ADAやカルダノ・ネイティブトークンの送受信、ADAのステーキング、DAppsへの接続、NFTの管理、トランザクション履歴の表示などが挙げられます。セキュリティ面では、Ledgerハードウェアウォレットへの接続機能も提供されています。
Laceのミッションは、Web3で世界をつなぐことにあります。これは、高速で安全、使いやすいプラットフォームを提供し、ユーザーにデジタル体験の新しい世界を発見させることを意味します。Lace 1.0はGoogle Chromeのウェブストアを通じて利用可能で、インストール方法はシンプルです。
今後、Laceは定期的なアップデートと改良が予定されており、DAppストア、デスクトップアプリ、デジタルアイデンティティソリューションの開発などが進行中です。また、法定通貨によるオン/オフランプ、ウォレット内スワップ、マルチデリゲーションによる豊かなステーキング体験、ポートフォリオビューなどの機能も追加予定です。
LaceはInput Output Globalによって独占的に公開され、公式のウェブサイトはwww.lace.ioのみとなっています。Lace 1.0のリリースは、カルダノとそのコミュニティにとって重要なマイルストーンであり、Web3のプラットフォームとしての地位をさらに強化するものです。
躍進するカルダノDeFiとエコシステム最新状況「2023年4月終了時点」：エポック409
2023年5月6日 7:00
2023年4月終了時点のカルダノのデジタル金融とエコシステムは、多くの重要な進展を遂げました。以下は、その主なハイライトです。
- 市場全般のDeFiトレンドの成長:
- 2023年4月末時点で、DeFi市場における総価値ロック（TVL）は49.164億米ドル（約6兆6,000億円）に達しました。
- カルダノのTVLも堅調で、特にADAでのTVLは4月19日に史上最高値を記録し、第一四半期比で172%増加しました。
- カルダノの市場動向:
- オンチェーン指標が示す強気の市場動向により、Cardano（ADA）は新しい市場参加者を引きつけ、上昇トレンドを形成しています。
- 4月のオンチェーンデータでは、総取引数が6500万件以上、ウォレット数が100万個増加し、総ウォレット数は407万個に達しました。
- カルダノエコシステムの発展:
- Paima Studiosは新しいLayer2機能をリリースし、カルダノをトップEVMチェーン及びゲームチェーンに変革しました。
- Aada Financeは、新しいピアツープールシステムとAikenツールキットを用いたV2のローンチを準備しています。
- Wanchainは、カルダノのテスト環境で非カストディアルな双方向クロスチェーンブリッジを成功裏に立ち上げました。
- 新しいイニシアティブとプロジェクト:
- anetaBTCは、Ikigai Technologiesによるセキュリティ監査を実施し、メインネットでのリリースが間近に迫っています。
- Charli3 Oraclesは、カルダノブロックチェーン上で最初のOracle統合を発表しました。
- SingularityNETは、Atrium Labとの新たな協力関係を発表し、トークンAGIXの価値が上昇しました。
- 技術的進歩:
- スマートコントラクト開発を簡素化するAiken alphaフェーズがリリースされました。
- SundaeSwap DEXは、新しいユーザーインターフェイス「V2」をメインネットで公開しました。
- ネットワークの移行と新規参入:
- SnowmantasticNFTプロジェクトは、イーサリアムからカルダノに移行を発表しました。
- Milkomeda C1は、EVM互換サイドチェーンであるCardanoでDjedステーブルコインプロトコルを展開しました。
- 商業化とコミュニティ参加:
- カルダノのAtala PRISMプロトコルが、分散型識別（DID）を革新しているとされ、数百万ユーザーの商業化をサポートする可能性があります【25†source】。
- Cardano財団は、オンチェーン投票の実験にステークプールオペレーター（SPO）を招待し、コミュニティのニーズに応えています。
- プラットフォームへの統合:
- Coinbaseがプラットフォームにカルダノを追加する可能性が示唆されています。
- 新製品の準備:
- ネイティブステーブルコインUSDAと製品スイートAnzensのリリースが進行中です。
これらの進歩は、カルダノがDeFiとブロックチェーン技術の分野でどのように進化し、市場での地位を強化しているかを示しています。
【Voltairの始まり】メインネットでのSPO投票実験とSIPOの考え：エポック412
2023年5月21日 7:50
2023年のカルダノにおける重要な出来事のひとつとして、オンチェーンガバナンスの構築を目指す「Voltair」の始まりが挙げられます。特に、2023年5月に開始されたメインネットでのステークプールオペレーター（SPO）投票実験は、カルダノのガバナンスの新たな時代への一歩として注目されました。
この実験は、CIP-1694に基づき、ステーキング・パラメーターとネットワークの最適化に関する投票を行うものでした。テスト環境での成功に続き、メインネットで初めての実験が実施され、SPOとステークデリゲーター（委任者）がブロック生成に加え、プロトコルへの新たな貢献を模索する機会となりました。
特に、SPOのオンチェーン投票はエポック412の開始時に始まり、カルダノコミュニティ全体が投票に参加しました。重要なのは、この投票が「Voltaire」時代への移行を象徴し、SPOと委任者の間の協力とコミュニケーションを促進する新しい社会実験であることです。
投票の内容は、ステーキングパラメーターに関するもので、特にkパラメータとminPoolCostの設定に焦点が当てられました。これらはネットワークの分散化に直接影響を及ぼし、カルダノエコシステムの将来に重要な意味を持ちます。
SIPOは、カルダノの持続可能な成長とエコシステムの繁栄を支えるために、分散性、持続可能性、公平性を重視し、投票を行いました。また、世界情勢や経済の不安定性を考慮し、現在のパラメーターを維持することが適切であると結論づけました。
この投票実験は、カルダノのオンチェーンガバナンスの基盤を築く初期段階に過ぎないものの、将来の議論とパラメーター設定の方向性を示唆しています。オンチェーンガバナンスが本格的に機能し始めれば、カルダノコミュニティの参加意識が高まり、DAOの時代へと進む可能性があります。
このように、2023年のカルダノはオンチェーンガバナンスの実験を通じて、分散型自治組織（DAO）としての進化を遂げ、コミュニティの参加と協力を深めることで、持続可能で分散化されたブロックチェーンの未来を模索しています。
2023年上半期まとめ
2023年上半期、暗号通貨市場は大きな変動を経験しました。ビットコインは年初の16,847.6ドルから6月には31,379.2ドルのピークに達しましたが、カルダノは1月の0.2678ドルから2月に0.4189ドルまで上昇した後、6月には0.2629ドルまで下落しました。この期間中、カルダノは市場キャップで7位を維持し、スマートコントラクトプラットフォームでは3位に位置していました。
重要な出来事としては、SECによる複数の暗号通貨関連企業への訴訟が挙げられます。これは暗号通貨市場に大きな影響を与え、特にBinanceとCoinbaseに対する訴訟はアルトコイン市場に影響を与えました。また、6月にはビットコインETFの申請が増加し、暗号市場は一時的な回復を見せました。
カルダノ自体は、DeFi分野での成長を続けており、トータルバリューロック（TVL）の前例のない増加を経験しました。USDベースのTVLは減速せず、ADAベースのTVLは史上最高値を更新し続けています。また、6月には48,924個の新しいアドレスが追加され、カルダノ保有アドレスの合計数は4,161,225個になりました。これらの統計は、カルダノのDeFiエコシステムが市場の不確実性を乗り越えて成長していることを示していました。
2023年上半期のカルダノ・エコシステムを振り返ると、カルダノは大量採用に向けた大戦略を中心に成長しました。これには分散型ガバナンスの導入、エジンバラ分散化インデックス（EDI）の開発、RealFi戦略、ステーブルコインの登場、Web3プラットフォームLaceの展開、パラレル・サイドチェーン戦略、レイヤー2スケーラビリティ・ソリューションHydra、データ保護プラットフォームMidnightなどが含まれます。
NFT市場では、660万以上のNFTが鋳造され、67,859の異なるミンティングポリシーが存在し、カルダノのNFTスペースは急速に拡大しています。また、ステーブルコイン「Djed」の導入がDeFiエコシステムの成長に寄与しました。
カルダノは、CIP-1694による新しいオンチェーンガバナンスメカニズムを導入し、ADAホルダーの投票を可能にしました。Web3ゲーム開発では、Paima StudioがステートフルNFTなどの革新的な技術を使用しています。
カルダノ・エコシステムでは、Python、Rust、JavaScriptなどの言語を使ったスマートコントラクトの開発が可能になりました。さらに、相互運用性の分野でリーダーシップを示し、異なるブロックチェーン間のデータや資産の転送を実現しています。
次期アップグレード「Ouroboros Genesis」は、セキュリティと堅牢さの向上を目指しており、PoSブロックチェーンの拡張性と持続可能性を高めることが期待されています。
SundaeSwap DAOは、SundaeSwapプロトコルのガバナンスプロセスの公正かつ中立な管理者として機能し、カルダノのDAO時代を告げました。SECのステーキング規制動向は、カルダノに影響を及ぼす可能性がありますが、コンティンジェント・ステーキングとKYC情報の付加により、これに対応しようとしています。
技術面では、Hydra、Mithril、Midnightなどの新技術が導入され、スケーラビリティやセキュリティが向上しています。Contingent Stakingに関する議論も盛んになっており、プライバシー侵害などのリスクを考慮しながら、レイヤー2ソリューションとしての可能性が検討されています。
Voltaire時代では、分散型ガバナンスシステムの構築が進み、Project CatalystやCIP-1694の実装が注目されていました。Dynamic P2Pのリリースにより、ネットワークの分散化が進み、セキュリティや拡張性が向上しました。
2023年第1四半期には、Lace v0.6.0のリリースやCIP-30の実装など、DApp開発に注力しています。DeFi市場では、カルダノは成長の肯定的な指標を示しており、特に大口ウォレットの増加やスマートコントラクトプラットフォームへの存在感の増加が見られました。また、Lace 1.0のリリースにより、カルダノはWeb3プラットフォームとしての地位を確立しました。
2023年4月、CardanoのDeFiエコシステムは、SundaeSwap v2 UIやSnowmantastic移行など、新しい開発段階に入りました。これらの進展は、カルダノがエコシステム全体で成長を続けていることを示していました。
次回は2023年下半期について特集していきます。どうぞお楽しみに！
もしこの記事が気に入っていただけましたら、SIPO、SIPO2、SIPO3への委任をどうぞよろしくお願いいたします！10ADA以上の少量からでもステーキングが可能です。ステーキングについて知りたい方は、下記の記事をご参考ください。
ステーキング（委任）とは？
カルダノ分散型台帳システムによるステーキングの魅力とその方法：2021版
Q&A：カルダノ、ステーキングに関する基本的な説明集
ダイダロスマニュアル
ヨロイウォレット Chromeブラウザ機能拡張版マニュアル
ニュース動向 in エポック455
社会のデジタルインフラとなる持続可能な循環型地域活性化システムであるイザナミ・プロジェクトが日本のWeb3の扉を開く
イザナミ・プロジェクトは、ポイントと暗号資産を活用した社会のデジタルインフラとなる持続可能な循環型地域活性化システムです。株式会社サイモンズは、現在日本全国の自治体へ導入・提供しているweb2ビジネスモデルをweb3ビジネスモデルに移行する計画を進めています。つまりイザナミ・プロジェクトは、既に展開しているweb2ビジネスモデルがweb3ビジネスモデルに進化することで、日本のweb3ビジネスを代表するプロジェクトへ変貌する可能性を秘めているのです。
CIP-1694進捗報告：CIP-1694に関するCardano Ballotの結果
CIP-1694に関するCardano Ballotの結果は、Cardanoのオンチェーンガバナンスに対する肯定的な支持を示しています。
「非同期設定におけるDAGベースのコンセンサスの遅延をUTXOモデルを用いて削減する」論文がIEEE ISPAで採択
IEEE ISPAにて、Mariola Rangeira氏、Maxim Jourenko氏、Liu Keyang氏による「非同期設定における #DAG ベースのコンセンサスの遅延を #UTXO モデルを用いて削減する」という論文が採択されました。
カルダノ財団、フォーチュン500企業であり、世界でも最大の公開企業の1つであるPetrobrasとの教育パートナーシップを発表
2023年12月20日、スイス・ツークにて、カルダノ財団は、ブラジルの国営エネルギー企業ペトロブラス（Petrobras）との教育パートナーシップを発表しました。
